ノートPCやモニターを購入するとき、いくつか見るべきポイントがあります。
そのひとつが「視野角」です。
商品のスペックを見ると、解像度や画面サイズと並んで「水平170°」といった表記がされていることでしょう。
モデルによっては広視野角を売りにしているメーカーもありますが、そもそも「視野角」の定義や基準が分からなければ、購入を判断する際に迷ってしまいます。
そこで今回は、PC用語である「視野角」について詳しく解説します。
広視野角モニターのメリットや、液晶方式による違いにも触れています。ぜひご覧ください。
モニ研
モニターの視野角について専門家が詳しく解説!
PCモニターにおける「視野角」とは
液晶ディスプレイにおける「視野角」とは「画面を斜めから見たとき、問題なく見ることができる角度」をあらわしています。
画面を真正面から見たときを0°として、そこから上下左右に動いても正常に見える範囲を角度で示します。
たとえば、画面が真正面から右に85°、左に85°動いても正常に見えるとき、その視野角は「水平170°」(85°+85°)と表記されます。もしくは「左右170°」と表記される場合もあります。
この角度が広ければ広いほど、さまざまな方向からモニターを見ることができます。
ちなみに、視野角の測定で「正常に見える」基準は、一般的にコントラスト比(白と黒を表示した場合の輝度の差)10:1とされています。
しかし、近年ではコントラスト比5:1とされている場合もあり、メーカーごとに基準があいまいです。
したがって、同一メーカーで比較するとき以外は、あくまでも参考程度にとどめ、可能な限り現物を確認するようにしましょう。
どこからが広視野角なのか?
それでは、「広視野角」とはどの程度のものを指すのでしょうか。
メーカーによって判断基準は異りますが、おおむね170°を超えていれば広視野角といえるでしょう。
現行で広視野角を売りにしているモデルの多くは、上下左右178°のスペックを達成しています。
ほぼ180°ということで、真横に近い方向からでも見ることができる数値です。
視野角の重要性:メリットとデメリット
ところで、広視野角モニターの具体的なメリットは何でしょうか。
さまざまな方向から眺めるテレビとは違い、PCモニターは正面から見ることが多く、視野角はほとんど関係ないと思われるかもしれません。
しかし、マルチディスプレイ環境を構築している場合には、斜めから画面を見る機会が多くなります。
また、サイズの大きいモニターを使う場合も、視野角が広くなければ隅々まで綺麗に見ることができません。
ワークスペースを快適に保つために、広視野角のモニターが求められるのです。
反対に、デメリットはあるのでしょうか。
PCモニターの場合、視野角が広いことで生じる不都合は特にありません。
しかし、スマートフォンなど小型端末の場合は、広視野角の画面だと周囲の人から覗かれる恐れがあります。
ノートPCでもプライバシーを気にする方は、広視野角のメリットはなくなりますが、覗き見防止フィルムの使用をおすすめします。
液晶方式によっても視野角は異なる
現在のPCモニターに使われている液晶パネルは、「TN」「VA」「IPS」という3種類の方式に大別されます(詳しい仕組みに関しては、ここでは省きます)。
それぞれ視野角に対する適性があるので、PCディスプレイを比較する際には以下を念頭に置きましょう。
TNパネル
TNパネルは液晶のなかで最も古くから使われている方式です。
現在でも主に小型のモニターで採用されていますが、視野角に関してはあまり期待できません。
画面の応答速度が速いため、ゲーミングモニターで使われることが多いタイプです。
VAパネル
液晶テレビでも使われるVAパネルは、コントラスト比が高く、黒が際立って見えることを特徴としています。
映画鑑賞などに適した方式ですが、視野角はTNと同様に広くありません。
ただし、現在はメーカーの創意工夫により、VA方式でも広視野角のモデルが誕生しています。
IPSパネル
IPSは構造的に視野角が広く、どの位置からでも画面を綺麗に見ることができます。
価格がやや高い、応答速度が遅いなどのデメリットはありますが、発色性に優れているといった長所があります。映像や写真を多く扱う仕事には最適といえるでしょう。
視野角についてのまとめ
上記の通り、おおむねIPS>VA>TNの順に視野角が狭くなります。
ただし、メーカーによる技術開発の結果、TN方式でもIPSを凌駕する視野角が達成されているモデルもあります。
店頭でモデルを比較する際は、色々な向きから画面を覗いて視野角をチェックしてみてください。
視野角についてのまとめ
- 大きめのモニターを使いたい人
- マルチディスプレイ環境を構築したい人
- 映像や画像を扱うクリエイティブな職種の人
今回は主にPCディスプレイで使われる用語「視野角」について解説しました。
在宅勤務の可能性が広まる中で、ワークスペースを整備し、業務の効率化を図ることが求められています。
より良い環境を構築するために、モニターの視野角にも目を向けてみましょう。
ただし、スペック上の数値はあくまで目安に過ぎません。
それ以外の技術によっても、実際の見え方は大きく異なってきます。
できるだけ現物を確認した上で、購入を決めるようにしてください。
モニ研
特に初めてのマルチディスプレイ用モニターの購入を考えている人は視野角に注意して選んでみてください
コメント
コメント一覧 (5件)
[…] ただしTNパネルなので、視野角は狭めです。そのため「動画鑑賞や画像編集はしないからゲームが快適にできればいい!」という人におすすめのモニターです。 […]
[…] ※視野角についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 […]
[…] ※視野角についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 […]
[…] ただしTNパネルなので、視野角は狭めです。そのため「動画鑑賞や画像編集はしないからゲームが快適にできればいい!」という人におすすめのモニターです。 […]
[…] ※視野角についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 […]