応答速度とは?残像感をなくして眼精疲労を軽減!

こんにちは、モニ研(@medifav)です。ゲーミングモニターを選ぶうえで、よく指標に使われる「応答速度」ですが、応答速度が速いと具体的にどのようなメリットがあるかご存じない方も多いのが実情です。

この記事では応答速度がどういった速度を示すのか、速いことによりどのようなメリットがあるかなどについて詳しく解説します。

モニ研

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快適なゲームプレイに重要な「応答速度」について専門家が解説!

目次

応答速度とは

モニターは液晶パネルにかける電圧の強さで画素を調整し、色彩を変化させ画面を表示します。この電圧の調整による色の変化の速度を表すのが応答速度です。

応答速度は画面の色が「黒→白→黒」と変化するときに要する時間で測定され、単位はms(ミリ秒、1秒の1000分の1秒)で記載されます。

応答速度が速ければ速いほど映像の残像感が少なくなり、なめらかに見えます!

一般的にはTNパネルという種類のモニターが応答速度の速いものが多いです。しかし、最近ではIPSパネルやVAパネルでも企業の開発努力により、応答速度が速いモニターが販売され始めています。

※パネルタイプごとの特徴や違いはこちらの記事で紹介しています。

なお、応答速度は基本的にゲームで重要視される項目であるため、ネットサーフィンや動画鑑賞などではあまり気にする必要はありません。

応答速度が速いことによるメリット

応答速度が速いことによる一番のメリットは残像感の低減です。

応答速度は「残像感」の指標!

応答速度が遅いと画面の切り替わりが遅いため、1フレーム前の画面が残像として残り、映像がブレて見にくくなってしまいます。

画像から分かる通り、応答速度が遅いモニター(画像左)は映像がぶれていて残像が残っていますね。一方、応答速度が速いモニター(画像右)は映像がシャープでくっきりしています。

つまり、応答速度が速いモニターを使用することで、激しい動きがあるゲームでも映像がブレずにハッキリ視認しやすくなります。

特にFPSやTPS、格ゲーなどのコンマ数秒の判断が求められるゲームでは応答速度の速いモニターを使うことにより、敵の動きが視認しやすくなるため、戦績が上がる人も多数います。

また、残像感が減ることにより目の負担が減るため、眼精疲労の軽減にもつながります。

リフレッシュレートが高いモニターほど画面更新が多いため、応答速度の速さによるメリットは大きく、144Hz以上のモニターでは最低でも応答速度6ms以下が求められます。

応答速度の速さはFPSやTPSなどのゲームで特に大事!

GtoGとは

応答速度には2種類あり、①白→黒のような0→100の変化と、②グレーから別のグレーといった中間色から中間色への変化があります。

①白→黒のような0→100の変化

②中間色から中間色への変化

この中間色から中間色への応答速度をGray To Gray(GtoG)といいます。このGtoGの変化は、よく音量調節のダイヤルで例えられます。

白(0)→黒(100)の変化はダイヤルを0から一気に最大まで回すだけなのでとても素早く行うことができます。

一方、グレー(28)→別のグレー(72)のような変化は、ダイヤルが行き過ぎないように慎重に回す必要があるため、時間がかかります。

実際のゲームプレイでは、白→黒のような極端な変化はあまりないため、GtoGの応答速度が重要になります。

モニ研

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ゲーミングモニターならGtoGの応答速度を重視しましょう

オーバードライブとは

オーバードライブとは、GtoGの変化の際に電圧を通常より大きくかけることで、画素の動きを速めて応答速度を向上させる機能です。

赤線がオーバードライブ(linustechtipsより)
縦軸の「1」に達すると画素が変化する

オーバードライブによって、できるだけ速く結晶を動かすために多くの電圧を流すことで画素を変化させるため、本来の輝度より一瞬だけ高い輝度になるオーバーシュートや、逆に輝度が下がりすぎるアンダーシュートが起きることがありますが、人間の眼には認識できないレベルであることがほとんどです。

応答速度向上によるメリットのほうが大きいことが多いため、ゲームに使用するならオーバードライブは一度試してみることを推奨します。

モーションブラーリダクションとは

モーションブラーリダクションは、応答速度とは全く別の観点から残像感を低減する仕組みです。

まず前提として、人間の眼(網膜)には「映像を記憶する仕組み」があることを知っておく必要があります。

ハイスペックすぎるヒトの眼

例えば1/1000秒(=1ms)といった超短時間でも同じものをずっと見続けていると、人の眼は次に見た映像と直前まで見ていた映像をミックスしてしまい、現在の映像と過去の映像を重ねて認識してしまいます。

例として映像が「黒」→「白」に変わると、人間の眼は一瞬だけ「グレー」に認識して残像感を感じ取ってしまいます。これは応答速度が遅いことによる残像感とは全く別の生体側の仕組みです。

ここで解説する「モーションブラーリダクション」は、数フレームに1度だけ黒フレームを挟み込むことで、眼の残像感を軽減する機能です。

displayninja.comより

モーションブラーは日本語に訳すと「残像」を意味する言葉で、これをリダクション(削減)するということですね。

モーションブラーリダクションによるデメリットとしては、数フレームごとにバックライトが完全に遮断されるため、画面の輝度が下がるため、全体的に画面の明るさが暗めに見えてしまうことが挙げられます。

応答速度2msと5msの違いは体感できるのか

上記は2ms(左)と5ms(右)のモニターでCS:GOというPCゲームをプレイした比較動画です。

ぱっと見ではわかりにくいですが、再生速度を0.25倍にしてスローで見たり、瞬間瞬間で一時停止してみると左の応答速度2msのモニターのほうがブレが少なく、はっきりと視認しやすいのがわかります。

また、この動画はYouTubeの仕様上60fpsしか出ていませんが、もっと高フレームレート、高リフレッシュレートのモニターで実際にプレイするとよりはっきりと残像感の違いを感じることができます。

応答速度とリフレッシュレートの関係について

応答速度と同様に、モニターの性能を語るときによく聞く「リフレッシュレート」という言葉があります。

リフレッシュレートとはモニターが1秒間にどれくらいの頻度で画面を更新するかをあらわす数値です。

研究員A

研究員A

そもそもリフレッシュレートってなんですか?

リフレッシュレートは映像の滑らかさを表す数値だよ!

モニ研

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パラパラ漫画をイメージするとわかりやすいでしょう。1秒当たりのコマ数を増やせば滑らかな動きに見え、逆にコマの数を減らすとパラパラ漫画は飛び飛びの動きだったり、カクついて見えたりします。

ここで応答速度とリフレッシュレートの関係性について確認していきましょう。

例えばリフレッシュレートが60Hzの場合、1秒間に60回画面が更新されるということです。つまり、1フレームの更新に必要な時間は1÷60≒0.01667秒(16.67ms)となります。

つまり16.67msよりも速く画面の色が変わらないと、残像が表示されてしまうのです。

そのため、60Hzのモニターの応答速度は必ず16.67ms以下でなければいけません。

リフレッシュレートが144Hzや240Hzの場合は、求められる応答速度は下表のようにさらに速くなっていきます。

リフレッシュレート画面の更新速度必要な応答速度
60Hz16.67ms16ms以下
144Hz6.94ms6ms以下
240Hz4.17ms4ms以下

※リフレッシュレートについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

応答速度についてのまとめ

最後に応答速度についてまとめていきます。

  • 応答速度は画面に描写される色の変化の速さ
  • 速いほど残像感が軽減される
  • 高リフレッシュレートほど応答速度の速さが求められる
  • 眼精疲労の軽減効果も期待できる
  • リフレッシュレートに見合った応答速度が必要

応答速度は画面に描写された映像が変化する速さです。速ければ速いほど残像感が少なく、激しい動きのあるゲームでは敵の姿が認識しやすく、目の疲労が軽減されます。

最近のゲーミングモニターのほとんどは1ms以下を謳っていますが、これはあくまでもメーカーの測定値であり、参考として捉えることが適しています。また、GtoGではない0→100の応答速度の場合を表記している場合もあるため、スペックをしっかり確認することが重要です。

特にFPS・TPS、格ゲーなどの一瞬の判断が勝敗を分けるゲームをプレイする人はモニターを選ぶときに応答速度をチェックするようにしましょう。

※質問などはこの記事のコメント欄にお願いします!

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この記事を書いた人

ゲーム好きが高じて、ゲーミング向けを中心に50台以上のモニターを買い漁ったガジェットオタクの20代です。好きなジャンルはFPSやTPSで、月のゲームプレイ時間は200時間ほど。
数多くのゲーミング機器を触ってきた経験を活かし、ブログとYouTubeでガジェットレビューを中心に活動しています。

お仕事についての問い合わせはメールでお待ちしております(個別の質問等には対応していません)↓
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